喫茶佐天

祈り2023

大学院生になって思う編入試験に有用な参考書

こんにちは。水無月です。1年ぶりの更新か。

 

早いもので、高専を出てから4年も経ち、もう大学院生になってしまいました。なんと、今でもこのブログを見てる方がたくさんいらっしゃるらしいらしく、驚いています。

自身が使った参考書を纏めた記事はいくつかありますが、眺めてみると、直視できないくらい乱雑です。しかも、よく見るとマトモに使ってないのすらあります。

そこで、今日は大学で数学科レベルの数学を多少はやり、院試で物理を使った自分が、今ならこれを使うかな、と思う参考書について紹介します。

 

 

 

まず

まず前提として、数学と物理は全問解く参考書は殆ど無い事は言っておかないといけないと思います。どう考えても絶対でねえだろみたいな問題は、よく見ると割とあります。

大学にもよるんですが、例えば数学なら徹底研究の「理学部」と書いてあるやつや、ベクトル空間の問題、物理なら、演習力学の1章の例題3とか(いや出るかもしれんけどなんか解きたくなかった)とか、あとは詳解力学演習の大半の問題とか。試験を突破するだけなら要らん問題が多いです。

東大に編入した方が「俺は詳解力学演習と詳解電磁気学演習全問解いたよ」って言っててビビり散らしてたんですが、落ちた身分で言うのはアレですが、冷静に考えたらどう考えても要らないです。あれ図書館で見てみるとわかるんですが、かなり小文字でびっしり問題が並んでる辞書です。しかも350ページとかあります。

 

で、じゃあどうすりゃええねんって思うんですが、

 

  • 基本的な事項や基礎的な問題(小問がたくさん並ぶわけではない例題とか)は普通に入門書(e.g. マセマとか)ちゃんとやる。やりすぎて編入レベルに中々行けないとかあるから、程々で切る。
  • 過去問のサーベイはちゃんとやる。闇雲に問題集をやるのではなく、しっかり過去問から「ある程度の出題分野」と「多分出ないだろう」という分野を考える。まあ京大数学のような変化球を出すところもあるけれど。
  • そのうえで、少し難しそうな演習問題を頑張る。まあ自分はバカ真面目に全部やったわけではなく、見れば方針と計算が思い浮かぶ奴は飛ばしてました。あと、解説見て明らかにヤバいやつも飛ばしてましたね。過去問特訓のC問とか。

 

今冷静になって問題を眺めてみると、旧帝クラスのしかも相当上位とかじゃないと意味不明な変化球ってあんまり出なくて、どこも典型問題の類題とかで構成されてるような感じがするんですよね。もしくは、なんか院試の類題みたいなの。つまり、電通、農工、筑波、その他地方国立etc...であれば、倍率が高いことによる競争は別として、解くだけであれば平易な問題集の基本的な問題をしっかり解けるようにする方が大事だと思うんですね。今挙げたような大学群の中で、瞬間的な上振れとかは別として、平均的には、過去問特訓のC問とかやらんでも合格点取れるやろ、と思うわけです。

ちゃんと色々理解して色々解けるようになりたい人ならやってもいいと思いますが、高専生の中にはロボコンやプログラミングで時間がない人、始めるのが遅かった人、のように、効率的にやらないとまずい人もたくさんいることが最近わかってきました。

 

では、今の自分ならこの本を使う、みたいなのを書いていきます。自分がどういう高専生だったのかは過去記事を見てください。誇張抜きで初期状態は相当カスでした。

 

数学

先にも書きましたが、全部はやってません。ある程度教科書で基礎的な事を把握したら、問題集をざっくりやればいい気がします。ここでの"把握"というのは、大雑把でいいかと思います。人にざっくり気持ちを教えられるとか。そのくらい。決して、登場する定理全部書き出せるとか、丸暗記してるとか、章末問題や付属の問題集全部解いたとかではないです。人によってその度合いは違うと思いますが、基本的な部分を永遠にやってるといつまでも進みません。ある程度で切り上げる勇気って大事なんだと思います。大学工学部上級生・数学科レベルの証明中心の数学ならともかく、我々は計算問題中心ですし、試験を突破するための数学、と割り切るのも大事なのかもしれないです。

 

大日本図書の教科書と問題集

割と定番な気がします。まあ大日本図書である必要はないんじゃないかな。高専で配られたやつでいいです。

完全に抜けてる部分を軽くさらったりするかもしれないくらい。未習分野はちゃんとやるけど(2~4週)、やったことあるやつは思い出す程度(数日程度)。

 

マセマ

マセマというとナメられがちで、特に自分が通ってる京都大学や自称数学好き高専生の間では「あんなん使ってるのアホだけやろw」みたいな偏見が無くもないですが、実際には(最上位以外の)編入試験や院試を解けるようになるだけなら結構優秀です。自分が必要だと思う分野のを買うといいんじゃないかな。自分は複素関数だけ持ってました。あれだけでは複素積分の問題が少し足りない気もするんですが、それはほかの参考書で埋めればいいと思います。

今の高専はひどいことに複素関数を5年後期に回したりするらしいですね。使う大学も割とあるので、参考書やyoutubeの動画で勉強するしかないか。

てか、そもそもマセマだけで旧帝以外は余裕やと思います。正味、徹底研究とかもいらんやろ。

 

徹底研究・徹底演習・過去問特訓

まあ基本誰でも使ってるのはそうなんですけど、必要な所だけやればいいと思います。

先に述べた通り、理学部の問題はやらんでもいいです。(過去問のサーベイをしたうえで)これ二度と出ねえだろって思うような問題はたぶん二度と出ないです。

 

大日本図書「大学編入のための数学問題集」

むしろこっちの方がいいんじゃないかな。C問は難関のところを狙わないなら無理にやる必要はないと思います。

 

院試問題集

意外と侮れない。解きたいやつだけ解けばよい。

 

youtubeに転がってる講義動画&講義資料

2020年コロナが大流行して優秀な講義動画が大量に転がり始めた。いい話だ。各分野いくつかまとめておきますね。まあ、見たい部分だけ見ればいいんじゃないかな。

ヨビノリも優秀だと思うけど、なんでか知らんけど自分には合わなかった。ほんとか知らんけど、ファインマンの講義が

 

ところが全く不思議なのは、先生の説明を聞くとすっかり理解できた気分になってしまうのに、あとで誰かにそれを説明しようとすると絶対にできないことだった。先生の同僚のあいだでも、その謎は有名だったらしく、「ファインマンの話は聞いていると実にもっともだと思うのに、あとになると一体何を食べたのかどうしても思い出せない中華料理みたいだ」と教授の一人がぼやいているのを聞いたことがある


とか言われてたらしいのと同じノリなのかもしれない。分野のイメージを持つのには大変優秀だけど、単位が取れるようになる、試験突破できるようになるかというと怪しい。よさそうなものをいくつか挙げます。

 

微分積分

まあ大学の微分積分編入で求められる微分積分ってちょっと違うから、全部勉強するのは違うのかもしれないが。数列の収束とかは筑波の情報とかで稀に見るけど。

 

https://www.kurims.kyoto-u.ac.jp/~ishimoto/files/note_calculus.pdf

https://www7b.biglobe.ne.jp/~h-kuroda/pdf/text_calculus.pdf

https://www2.math.kyushu-u.ac.jp/~hara/lectures/19/biseki01a.pdf

 

牛腸先生の講義は実は高専時代潜ってたのですが、わかりやすかった記憶があります。このページにある問題集+「行列」ってなに?面白いの?って資料はとんでもなく丁寧に書かれています。冗長な文が嫌いで数学書を読みたい人には向きませんが、そもそも勉強自体完全に置いてきぼりにされている学生には有用でしょう。私もこういう資料を書けるようになりたいものです。

lecture-old.ecc.u-tokyo.ac.jp

線形代数

www7b.biglobe.ne.jp

www.math.kanagawa-u.ac.jp

lecture-old.ecc.u-tokyo.ac.jp

微分方程式

常微分方程式及び演習【山口大学工学部の数学講義】 - YouTube

https://www2.yukawa.kyoto-u.ac.jp/~norihiro.tanahashi/pdf/ODE/note_ODE.pdf

www2.yukawa.kyoto-u.ac.jp

複素関数

授業動画(杉山由恵・複素解析) - YouTube

 

www2.yukawa.kyoto-u.ac.jp

 

 

物理

そのうち更新するけど、こっちの方が需要高そう。

なんかそろそろ編入の時期だし、数学だけでも追い込みのためにぜひ。

 

力学

これが一番やっぱり苦しくて(当社比)、私は当時ぜんぜん分からなくてすごく困っていました。

なんか、物理のエッセンスがいいよ~って言う人いますけど、僕は高専在学時代からアンチで、今も考えは変わらないです。高専は低学年で微分方程式やるのにわざわざ微積縛りする必要なんてないんですよ。

ついでに、僕の過去紹介してたファインマン物理も別にいらなくて、初手はまあこの辺りでいいんじゃないかなって思います。

 

なあ、Amazonのページ貼れないんだけど